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不動産査定とは

自分で査定する

所有している不動産の価値を査定したいとき、折り込みチラシやインターネットなどで、周辺の物件がいくらで売りに出ているかをまず調べるでしょう。その中で自分の物件に類似した物件を見つけておおよその金額を把握するのではないでしょうか。ただ、その金額は売り出している金額で、実際に売れた金額ではありません。

実際に取り引きされた成約事例は最近一般にも公開されるようになりました。法務局の情報(不動産の取引があると登記をしますので、法務局は取引の当事者を把握します)の提供を受けた国土交通省が、取引の当事者にアンケート調査をします。そうして集められた売買価格などを公開しています。→ 土地総情報システム

この成約事例は物件を特定していませんので、実際の形状や、周辺の環境、建物の状況などはわかりません。また、公示価を参考にして土地の相場をおおよそ把握することもできますが、この物件だったらこれくらいで売れるだろという実感のある金額を把握することは難しいと思います。


売却のしくみ

業者に査定を依頼する

そうすると物件情報や成約価格を把握しているだろう業者に査定依頼をして、実際に売れる金額を聞くことになるかと思います。依頼を受けた業者はどのような方法で査定をするのでしょうか。

おおかたの査定のための情報収集は次のようなものです。

1 近隣の類似物件の成約事例から対象物件の売却価格を予想する。

2 公示価格、路線価など

3 査定マニュアルを利用

4 他の業者に聞く。

5 直感

まず、レインズで周辺の類似物件の成約事例を検索して調査します。レインズは不動産業者間の情報システムで業者以外の方は利用できません。売り主側の業者が取引を完了しますと、成約した金額をレインズに登録するようになっていますが、すべての成約物件が登録されているわけではないのです。

それだけでは情報が足りませんので、公表されている公示価格や路線価等を参考にしながら予想します。あるいは、その業者が蓄積した成約事例も参考にします。また、他の業者に電話で聞いたりもします。そして、最終的にはだいたいこれくらいの金額で売れるだろうと直感に近い感覚で決めることになります。

また逆に査定で出した金額を裏付けるために再度、成約事例や公示価格などを検証して、段々と精度を上げていくことになります。百発百中の査定マニュアルがあればいいのですが、そのようなものはありません。現実には担当者の能力によるところが大きいのです。妥協せずに、自分が納得するまで調べ上げるという能力が査定をする者には必要だと思います。
 

査定金額の提示

査定が出れば、依頼者様への提示となりますが、この金額は業者の思惑で全く違うものになります。

安く売りに出せば、早く売れるので、業者は楽に手数料を稼ぐことができます。またそれだけではなく、自分で簡単に、買い主を見つけることができますので、売り主、買い主の両方から手数料をいただくことができます。楽に、たくさん稼ぎたいと思う業者は通常より低い査定をするでしょう。

売り主様は一つの業者だけでは不安ですから、通常、複数の業者に査定の依頼をします。そうすると2軒目の業者は先に出した業者より高い査定金額を提示するかもしれません。高い金額で売れた方が、売り主様としてはいいわけですから、高く査定した業者に売りの依頼をするでしょう。査定価格は業者の思惑が必ず入っているわけです。

どの業者の査定を信用するかは売り主様が判断するしかありません。ただ、売り主様のことを第一に考えて、誠実に販売活動のできる担当者がだしたものが信頼度の高い査定だと思います。担当者が出した査定の根拠を納得するまで聞いて、業者を選別してください。業者の知名度や規模だけで判断するのは危険だと思います。
 

不動産売却の方法

売り出し価格

 査定価格を参考にしながら売り出し価格を決めていきます。

1、  売り出し価格が高すぎる場合→ 広告を出しても反応がありませんし、他の業者も案内どころか、顧客に紹介もしてくれません。希少価値の高い物件であれば引き合いがある可能性もありますが、期待はできません。売れ残ってしまうリスクがかなり高くなります。

2、  売り出し価格が安すぎる場合→すぐに売れますが損をします。売り急ぎの場合はやむを得ませんが。

3、  やや高い金額で売り出す→案内がとぎれとぎれになる可能性が高くなります。ゆっくり売って、いいお客様がいれば売るので高く売れそうですが、売れ残る可能性があります。その場合は市場に長く物件が出てしまいますので、物件的に色あせてしまい大幅な価格ダウンを余儀なくされることが多いです。当初1〜2週間だけ様子を見て、反応が悪ければ下記の4もしくは5の価格に設定し直す方法もあります。担当の営業が迅速に動くことが必要です。

4、  相応の価格で売り出す→最も、妥当な価格設定ですが、周辺に売り物件が多い場合や、人気があまりない地域の物件の場合などはやはり案内があまり入りませんので、大幅な値段交渉がはいることも多くなります。納得のしやすい売り出し価格です。

5、  少し安い価格で売り出す→周辺物件での優位性が高くなりますので、広告の反響も多くなりますし、他業者も積極的に顧客に紹介し、案内が多くなります。同じ日に複数組の案内が入る可能性が高くなります。案内が重なった場合は、値段の交渉も小さくなり、売り出し価格そのままで売れることも十分に期待できます。購入希望者が重なることも多く、条件のいい買い主を選別できます。早く、査定に近い金額で売れる、一番リスクの少ない売り出し価格です。

ただ、4の相応の価格の設定が難しいのです。適切な査定ができなければこの基準となる相応の価格が出ません。やはり能力の高い信頼できる担当者が査定をすることが重要です。

売り出し価格の設定は売却のための非常に重要な要素です。適正な売り出し価格を見誤れば、大幅な価格ダウンになる危険性をはらんでいます。価格設定とそのリスクをよく考えて、判断する必要があります。

売却の手順

自ら売る

依頼する業者と売り出し価格が決まりましたら、いよいよ販売活動の開始です。

自ら、買い主をさがす場合は、労力と時間が必要です。ネットに物件を掲載して買い主を広くさがす方法もありますが、ネットで当事者が直接交渉して契約することは大きなリスクを伴います。売り主も買い主もお互いが取引の経験があればいいのですが、初めて不動産の取引をする場合は、いろいろな問題が発生してくる危険性があります。特に買い主側にとっては、物件が問題ない物件なのか、お金を払えば本当に自分のものになるのか、あとで問題が発生したらどうしたらいいのか、保証はしてもらえるのか、その問題は自分で負担できる範囲なのかなどたくさんの不安を抱えながら検討をしますので、契約に至ること自体がたいへん難しいと思われます。

うまく成約に至ったとして、買い主のほとんどはローンを利用すると思われますから、お金の段取りを相手に任せることになります。スムーズにローンが組めればいいのですが、なれていなければ用意する書類のそろえ方がわからなかったり不足書類があったりして時間がどんどん過ぎてしまうこともあります。ローンの承諾がおりるまで、他の人に物件を紹介することもできません。

ローンが無事ついて、やっと決済になったとしても、登記の手続きが必要です。銀行が紹介する司法書士がアドバイスをすると思いますが、売り主側も必要に応じて書類を用意しなければなりません。

通常はお金の受け取りと所有権の移転登記は同時にします。決済まで無事終了できれば、とりあえず、売却代金を回収できますので、山場を超えることはできます。引き渡しは特に条件がなければ、決済と同時になります。引き渡しが、決済後になる場合は、契約時に相手の同意を取りつけておかなければトラブルになります。

無事引き渡しが終わってやれやれと思っても、3週間ほどして、買い主からクレームが入ることがあります。リフォームをするので床をはぐってみたら、白蟻に土台や柱がくいつぶされていて補修費に甚大な費用がかかるので売り主のほうで負担してくれないかとか、先日の大雨で雨漏れがした。どうしてくれるのか。あるいは、近隣の工場が夜遅くに騒音を出すのになぜ言ってくれなかったのかとかです。売り主としては、予想もしなかったことばかりです。白蟻にやられているなんて夢にも思わなかったでしょうし、雨漏れなど今まで気がつかなかったことでしょう。近隣の工場の音など、なれてしまって気にもとめなかったことでしょう。こういった応対もすべて自分でしなければなりません。

どうしても、自ら自分の不動産を売却するのであれば、契約や決済、事後の処理だけを専門の業者に任すのがいいと思います。仲介業者への手数料の支払いは発生しません。事務手数料だけで引き受けてくれるところも最近では増えているようです。

 

高く売るためには

業者に依頼する

業者が売り主から物件を預かると
1、レインズへの登録 
2、周辺地域への物件紹介 
3、顧客への紹介 
4、ネットへの公開 
5、広告活動などを通じて買い主をさがしていきます。

1、レインズへの登録

レインズは仲介業者間の情報交換のサイトですので、こちらに預かった物件の情報を登録しますと、基本的には日本中の業者がその物件を知ることになります。実際にはすべての物件を毎日業者が見ることはできません。その物件の近隣の業者が毎日見るように設定しています。わたくしが営業している枚方市周辺だけでも約1,000社の業者がありますので、枚方の物件でしたら、少なくとも1,000の業者に物件情報が届くことになります。

各業者には数人の営業マンがいますから、何千という営業マンが新規に登録された物件が自分の持っている顧客に該当するか検証するわけです。該当すればすぐに顧客に紹介し、案内を促します。早ければ、即日に案内になる場合もあります。レインズに登録することが最も効果的な販売手段です。

しかし、業者としては他の業者が仲介して買い主をつけた場合は、売り主からしか手数料をもらえません。ですから、なるべく、自分のところだけで買い主をつけて売り主、買い主の両方から手数料をもらいたいのです。レインズに登録するのは業者の義務ですので(一般媒介は義務ではありません。)登録するのですが、他の業者から仲介依頼の電話がかかってきても商談中などといって、他の業者が介入するのをさける業者もいます。その業者にとっては利益になりますが、買い主にとっては高く売れる機会を逃したり、売却が遅くなったりする可能性が高くなりますから決して利益にはなりません。

売り主様のことを第一に考えるのであれば、できるだけ早く、より多くのお客様に物件を紹介し、競争しながら販売活動をするべきです。その方がいい結果が出るのは当然でしょう。

2、周辺地域への物件紹介

周辺地域への物件紹介も重要です。周辺で物件を探している人は結構おられます。その方にとってはその物件の必要度が高いですから、いい条件で決まる可能性が高くなります。特に、お隣のかたへの紹介は一番初めにするべきです。

近隣への紹介はその日の内に配布できるチラシが有効です。まだ一般に知れ渡っていない物件を近隣ということで先に情報を提供されているわけですから、前向きに検討しようという気にもなります。チラシ作成ソフトなどを利用して作成したチラシの原本を輪転機で印刷し、その日の内に手配りします。

通常、新聞など折り込み広告の場合10,000部発行して1件の反響があればいいといわれています。周辺への手配りの場合は少なくとも3,000部で1件はあるようです。しかも場所をよくご存じのかたの反響ですので、成約になる可能性も高くなります。

3、顧客への紹介

顧客とは各営業マンが抱えているお客様です。チラシや紹介などで営業マンはたくさんのお客様に物件をご紹介するわけですが、契約に至らない場合は、またつぎの物件を紹介していきます。常に数十組の見込みの顧客を持っているわけです。その顧客への紹介ですから、物件の条件が合えば、その週の土日に案内に持っていきます。

4、ネットへの公開

ネットはホームズや不動産ジャパンなどの大手サイトと業者のホームページになります。ネット掲載はその日の内にできますので、広く多くのお客様に物件を公開できます。最近の傾向としてはネットを見て情報を収集しているお客様が非常にふえていますね。チラシを見てネットで細かい情報の確認をするケースもありますから、大多数の方がネットをご覧になっているようです。ネットで効果的に集客をするにはお客様がほしい情報を載せることですから、きめ細かな情報を丁寧に載せることも業者としては重要な業務です。

5、広告活動

広告でも新聞への折り込み広告は広告屋との打ち合わせや、印刷に時間がかかりますので、配布できるのがはやくて2週間後になります。きれいで豪華ですので、信頼度はありますが、最近はその効果は薄らいできています。折り込み広告は莫大なコストがかかりますので、その費用対効果を考え、ネット広告に移行しつつあります。

 

売却は1ヶ月を目標にする

業者は、問い合わせ状況や案内した結果から予想される問題点や今後の展望などを常時、売り主様に報告しなければなりません。1〜2週間に一度は最低でも文書で報告すべきです。

お客様への紹介および案内は一ヶ月で一巡します。レインズに物件を登録し、近隣に物件を紹介しますとほぼ1週間で各営業マンの抱えている顧客に物件を紹介することができます。また、近隣のかたへの周知もできます。そこで興味を持たれたお客様は次週、もしくは2週間後の案内につながる可能性があります。ネットや折り込み広告で興味を持たれたお客様はおおよそ2〜3週間後に問い合わせをしてこられますので、3〜4週目の案内になる可能性があります。

ですから、おおよそ1ヶ月でおおかたのターゲットのお客様に物件を紹介し、案内をすることになります。適正な価格で売り出していたのであれば、この1ヶ月後には成約をしていなければなりません。少なくとも検討をしてもらっている必要があります。

残念ながら、売り出し価格が合わず、案内の件数も予定通り行かなかった場合、業者は自分の見込みの甘さを真摯に反省し、売り主様に謝罪すべきです。

そして正直に今後の展望を提示する必要があります。場合によっては価格を下げる提案もしなければなりませんし、販売戦略を変える必要もあります。売り主様にとって予定した価格で売れないことはたいへんなショックです。経済的負担も大きくなります。業者は自分が提示した査定に責任を持たなければなりません。安易に査定や、売却の予想について発言すべきではないと思います。

そんなに売り急がなくてもいい。半年を目処にゆっくり売ればいいという考えもあると思います。不動産が右肩上がりに少しずつでも上がっていればそれでもいいのですが、現状は上がったり下がったりしています。景気が回復して、不動産も今が底でこれから上がりそうだと思えたことは何度もありましたが、何度も裏切られました。いまは、先が読みにくい状況ですので、売れるときに売るのが、損をするかもしれませんが、一番リスクの少ない決断だと思います。

仲介業務の報告は週に1回は文書で報告

業者に全面的に任せていても、お客様の反響がどうなっているのか、案内の可能性があるのかなど売り主様としては不安でいっぱいだと思います。業者は逐一、状況の報告をするべきです。案内の結果や、その結果わかった問題点と対応策などだけでなく、業者からの問い合わせ状況やその反応の状況などもきめ細かく報告をし、売り主様に売却状況の実体を把握して頂く必要があると思います。そのためにかえって不安になる場合もあるかもしれませんが、売却を確実にするために、状況を積極的にかつ正直にお知らせして、売り主様に協力してもらうべきことは協力してもらいたいのです。

宅地建物引業法では専任媒介契約の場合は1〜2週間に一度、文書で報告する義務を定めています。

買い替えの手順

買換の場合は、通常、自宅を売りに出しながら、購入物件を探すことになります。同時進行です。

    資金計画をまずたてます。

売却価格と自己資金および、最大の借入可能金額の合計が購入価格の上限。たとえば売却価格が2,000万円、ローンの残金が1,000万円の場合、仲介手数料が693,000円、売り渡し費用(抵当権抹消含む)が50,000円(※売却に必要な費用参照)とすると2,000万円−1,000万円−693,000円−50,000円=9,257,000円が手元に残る金額となります。用意できる現金が300万円で年収等から割り出したローン借入可能額が3,000万円とすると、9,257,000円+万円+3,000万円=42,257,000円が最大の購入資金となります。購入にかかる諸費用もこの中に含めます。これらの金額のなかで、売却金額だけが、不透明です。業者に査定をしてもらっても、その金額で確実に売れる保証があるわけではありません。初めの段階ではおおよその資金計画を立てるところから始めます。 

     標記の仲介手数料は最大の金額です。値段の交渉は自由です。

     売り渡し費用はおおよその金額です。名義人の人数、名義変更があるかどうかなどで変わります。

     購入にかかる諸費用は登記費用、印紙代、ローン手数料、火災保険料、仲介手数料などです。3,000万円の新築の場合70万円〜万円ほどかかります。銀行ローンの場合の保証料を先払いにするか、金利に含めるか、あるいは火災保険の保証内容をどの程度にするか、地震保険を含めるのか等によって万円前後の違いが出てきます。また、新築の場合は仲介手数料が不要の場合がありますので、それだけでも100万円ほど違ってきます。

    仲介手数料

仲介手数料とは何に対して支払うお金でしょうか。不動産仲介業者が売却や購入の依頼をお客様からうけて、成約に至ったときに売り主および買い主から業者に支払われる手数料になります。400万円以上の物件でしたら、物件価格(消費税抜き)×3%+6万円が手数料といわれています。(仲介手数料には消費税がかかります)

ただこの金額は告示(国土交通省)で定められた最大の金額です。業者との交渉によっては下がる可能性があります。

本来は、仲介業者の貢献度に応じて仲介手数料を決めるべきだと思います。買い主から、ネットやチラシで見つけた物件を仲介してほしいと依頼があった場合は、仲介業者としての貢献度はかなり低いものとなります。価格の交渉や契約および決済の手続き、ローン付けなど事務的な業務だけになりますので、規定の最大額を支払う必要はないと思います。業者と交渉するべきでしょう。業者のなかには定額性にしているところもあります。

ネットで直接取引がされるようになった場合は、仲介業者の本来の業務である物件を探して紹介する、あるいは買い主をさがすという業務がなくなるかもしれません。その場合は物件の調査や契約、決済などの事務的な業務のみを請け負うということになるかもしれません。

売り主と買い主の両方とも、同一の仲介業者が仲介した場合は両方から手数料をいただけます。売り主が極端に物件価格を下げたなどして協力をした結果たやすく買い主が見つかった場合などは、手数料の交渉をしてもいいと思います。

仲介手数料は本来、仲介業者の貢献度に対して支払われるべきものです。業者の努力や提案なく成約したものに、莫大な手数料を払う必要があるでしょうか。

新築物件の場合、売り主が業者(宅地建物取引業者)になりますので、直接売り主から、物件を購入しますと、仲介手数料がかかりません。売り主直売につき手数料不要などのキャッチフレーズがチラシでよく見かけますね。仲介業者としては商売になりませんので、お客様から手数料をいただけません。ただ働きはできませんから、売り主から手数料をいただきます。売り主も、直接売るためには広告宣伝費や、営業経費がかかりますので、仲介業者に手数料を払って売ってもらう方が利益があると考えているのですね。

購入物件が見つかったが自宅の売却ができていない場合

@              自宅が売却できない場合は購入物件の契約を白紙解約にしてもらうという条件付きの契約をすることができますが、売り主が同意しないとできません。自宅が売れるまで、購入物件の売却ができなくなりますので、一般的には売り主はいやがります。

A              購入物件の売り主が業者なら自宅を下取りしてもらう。あるいは他の業者に下取りをしてもらうことも可能です。この場合は売却予定価格を大幅に下回る金額となりますので、資金がショートする可能性があります。

B              業者に期限を決めて、売却を依頼し、期限内に売れなければ下取りをしてもらうという下取り保証付きの契約をして購入物件を契約する。この場合も売り主の同意が必要となります。うまくいけば、予定にちかい予算で購入できますが、最悪でも下取りをしてもらえるので、売り主も同意しやすいですし、確実に購入が可能です。ただ、業者は売却できなければ安い金額で下取りができますので、売却に力を入れてくれるか不安です。業者の誠意にかけるしかありません。また、業者が売り主と別の業者であれば、やっかいです。買い取り業者が下取り保証の契約を破棄した場合、購入物件の購入ができなくなり、最悪は損害賠償を売り主に支払わなければなりません。損害賠償額は通常、契約時に設定しており、売買価格の12割にもなります。

C              売却が決まってから購入物件の契約をする。一番安全で、納得できる方法ですが、購入物件を先に契約できませんので、他の購入希望者がでてくれば購入をあきらめなくてはなりません。

時間的に余裕があれば、売却の準備を先にするのがよろしいと思います。適正な価格で売り出せば、1ヶ月ほどで売却の目処が立ってくると思います。もし、目処が立たなければ、価格を下げる、リフォームをするなどで努力していけば2ヶ月以内で成約に持っていけるのではないでしょうか。いろんな方法がありますが、そのときの状況で一番適した方法を焦ることなく選ぶようにしたいものです。

    売却は仲介業者に依頼する?

売却は通常、不動産仲介業者に依頼します。自ら、知人に紹介したり、ネットで買い主を捜したりすることも可能ですが、知人への紹介も限りがありますし、ネットも個人が情報を提供する場合は、いまの現状では反響が取りにくいでしょう。将来は売り主と買い主が直接ネット上で交渉することも活発になると思いますが、まだまだ定着しておりません。

仲介業者に売却を依頼しますと、まず査定をすることになります。物件を実際に見るだけでなく法務局や市役所などで物件について登記されている内容や、道路状況、埋設管、法規上の制限などを調査し、周辺の成約事例、今売りに出ている物件などを参考にしながら、いくらで売りに出したらいいか、売れる可能性の高い金額、最低このあたりなら売れるだろうという金額などを提示します。できれば複数の業者に依頼したほうがいいでしょう。そのなかで信頼できそうな業者に任されるのがいいと思います。複数の業者に依頼してもいいし、単独の業者に依頼してもかまいません。

一般媒介契約は複数の業者に重ねて売却の依頼をすることができますが、専任と専属専任媒介契約は一つの業者にしか媒介の依頼をすることができません。また一般の場合は業務状況を売り主に報告したり、レインズという業者間の情報流通機構に物件を登録したりして、他の業者に売却の依頼をする義務はありませんが、専任や専属の場合は定期的な報告や、期限内のレインズ登録を義務づけられています。専任や専属は自分のところだけに媒介を依頼されているのですから、お客様のために、しっかり動きなさいということなのでしょうか。

売り主様としてはできるだけ高く、できるだけ早く売ってほしいと思われていますから、どんな業者でも、物件をお預かりした以上はお客様のために最善な販売を心がけるべきです。できるだけ高く、できるだけ早く売るためには、たくさんのお客様に物件を開放し、お客様が競争して検討してもらうようにするのが効果的です。中には、物件を表に出さずに、いい買い手が見つかるまで売らないという売り主様もおられるでしょうが、一般的には、できれば高く売って早く安心したいという売り主様が多いのではないでしょうか。

ところが残念ながら、必ずしも物件をレインズに登録するなどして、広い市場の中から、買い主をさがす業者ばかりとは限りません。一部の業者の中には、売り主様と買い主様の両方から、手数料をいただくために、物件を多くのお客様に開放して競合させずに、本当に適正な価格かわからないまま密室の中で仲介しているものもいるようです。その結果、適正な価格よりもかなり低い金額で取り引きされる可能性がたかくなり、売り主様のご負担が大きくなります。損をしてしまいます。

    売却の契約の手順と注意すべきこと

自宅の売却が決まりますとまず契約をすることになります。契約をしてから、決済(売買代金の入金と引き渡しをすること)まで通常1〜2ヶ月かかりますので、もし、買い主のローンがつかないなどで、契約が解除になった場合、その間自宅の販売活動がとまることになります。1〜2ヶ月無駄になっていまいます。そのようなことにならないように、まず買い主の資金計画に問題がないかを業者を通じて確認をする必要があります。もし問題があればローンがついてから契約をするなどをして、リスクを軽減する工夫が大切です。

自宅を売却するというのは、買い主から売買代金を受け取り、自宅をそのままの状態で買い主に引き渡すということです。大きな流れはその通りなのですが、実際にはいろんな条件や、細かい約束事が付随してきます。相手が解約を申し入れてきたときはどうするか、契約したときは気がつかなかったが引き渡しを受けてから気づいた傷や、欠陥はどっちの負担か、引き渡し後に問題が発生したときはどうするのか、引き渡された物件についてあると思っていた、クーラーや照明がなくなったがどうしてかなど、確認しておくべき細かいことがたくさんあります。重要事項説明書や付帯状況説明書および契約書などで将来問題が発生しても、その責任の所在がはっきりするよう納得のうえで契約をしなければなりません。

    契約後の手順

無事、自宅の契約と購入物件の契約が成立した後はまずローンを申し込むことから始めます。

ローンを借りて購入する場合がほとんどですから、売る方も買う方も、必ず、ローン特約付の契約をします。ローンがもしつかなければ、白紙解約にしますという契約です。

自宅の契約と購入物件の契約のいずれかひとつでもローンがつかなかった場合は、自宅を売却して新しく物件を買うことができなくなります。そのために、それぞれの契約にはローン特約と同時に買い換え特約をつける必要があります。片方の契約が解約になった場合は、もう一方の契約も白紙解約とするという特約です。

もし、購入物件の契約に買換特約をつけていなくて、売却物件の買い主のローンがつかず白紙解約になった場合は、最悪購入ができなくなり、契約を履行できません。この場合は違約金を、売り主に支払わなければなりません。通常は売買価格の10%〜20%の金額です。4,000万円の物件でしたら、400万円〜800万円ですから大変な負担がかかります。

また、ローン特約の場合もローン審査の期限も条件に入れます。通常1ヶ月の間にローンがつかなければ白紙解約という期限をつけます。

ローンの申込みには源泉、所得証明、住民票、印鑑証明、健康保険証、免許証などが必要ですが、契約時にはできるだけそろえ、すぐにローンの申込みをしましょう。

ローンの承認が無事おりましたら、銀行との間で金銭消費貸借契約という、お金を借るための契約をします。それが完了しますとようやく待望の決済(お支払いと引き渡し)になります。

売却物件に住宅ローンの抵当権がついている場合は、ローンを借りている銀行にローンの一括返済の申請をします。抵当権を抹消するための書類を決済までに用意してもらうためです。銀行ローンでしたら、決済2週間前までには申請しましょう。

決済をする場所ですが、住宅ローンを借りる場合は、借入先の銀行で行います。従って自宅の決済と購入物件の決済は別々の場所でするのがほとんどです。

自宅の売却益を購入物件の支払いにあてる場合は、必ず自宅の決済を先にします。購入物件のローンの条件に自宅のローン完済の証明をもとめられますので、完済証明書などの返済を証明するものが必要です。事前に確認するようにしましょう。

買換の場合は、購入物件に引っ越ししてから引き渡す場合が多いですので、決済後、1〜2週間以内に鍵を渡す(引き渡しをする)ように買い主に同意を取りつけておく必要があります。契約書にも特約で記入しておきましょう。

決済のときに必要なもの

・自宅決済のとき 

権利証(登記識別情報)、印鑑証明書、登記上の住所と印鑑証明書の住所が異なる場合は、そのつながりがわかる書類(住民票、除票など)、身分証明書(免許証、パスポートなど)、実印、引き渡しを同時にするのであれば鍵も忘れないようにしましょう。

購入物件の決済のとき 

住民票・印鑑証明(銀行と金銭消費貸借契約をする際に提出している場合が多いです)、実印、身分証明書、借入先銀行の通帳、銀行印、自宅ローンの完済証明など

    決済の手順

決済は買い主が売り主に購入代金を支払い、売り主が買い主に不動産を引き渡すという行為です。通常、買い主はローンを銀行などから借入して支払いをしますので、その場合の手順はつぎの通りです。

@ 決済までに買い主は借入銀行で、ローンの申込みをして金銭消費貸借契約まで終わらせておく必要があります。

A 所有権の移転登記の手続きを司法書士がします。売り主は権利証(もしくは登記識別情報)、印鑑証明、実印を持参します。買い主は住民票、印鑑を持参します。買い主の印鑑は認め印でもかまいません。司法書士が用意した登記申請書と委任状に売り主、買い主が署名、捺印します。これを法務局に提出すれば、登記される準備ができたことになります。

B 司法書士から、銀行に登記の手続きが完了した旨を伝え、買い主のローンを実行してもらいます。融資金は買い主の口座に振り込まれます。銀行の諸費用(ローン手数料、保証料など)は融資金から引かれて口座にはいります。

C 買い主は自分の口座から残代金分をひきだし、買い主に支払います。何千万円という金額になりますので、通常は買い主の希望の口座に振り込むことになります。現金が目の前を行き来することはありません。

D 固定資産税の清算金などを精算し、売り主は、買い主に領収証を発行します。

E 引き渡しが同時であれば、売り主は鍵を買い主に引き渡します。

F 売り主は司法書士に売り渡し費用を、仲介業者に仲介手数料を支払います。買い主は、司法書士に登記費用を、仲介業者に仲介手数料を支払います。また、火災保険をかける場合は火災保険代理店に火災保険料を支払い、その日から保険をかけます。

これで完了です。

    引き渡し後にすべきこと

@      購入物件が新築の場合は10年保証があるので、10年間は安心と思っていませんか?法律(住宅の品質確保の促進等に関する法律)で10年間保証が義務づけられましたが、保証されるのは構造上重要な部分(柱や梁、床など)や雨水の浸入を防止する部分の欠陥だけです。給湯器の調子が悪いとか、床なりがする、クロスが剥がれてきた等は補償の対象ではありません。ただ、売り主によって、保証する範囲を拡大したりあるいは、2年ほどの期間をつけて、他の部分の保証をつけたりするというのが一般的です。

   保証期限が近づいてきたら、自分で点検をして具合が悪い部分を発見したら、すぐに売り主に連絡をするようにしましょう。良心的な売り主であれば定期点検をまめにしてくれるでしょう。

   中古の場合は売り主が業者(宅地建物取引業業者。くり返し不動産を売却する場合は、必ず宅地建物取引業者になります。)の場合と、個人の場合とで、保証期間が違います。業者であれば、保証期間は最低2年ですが、個人の場合は23ヶ月の期間で、保証内容も、白蟻、構造上の欠陥、給排水のつまり、雨漏れなどに限定されます。また、全く保証しないとすることもできます。(いずれも契約書に特約で入れます)

   この場合は、売り主の自主点検などは期待できませんので、買い主が自主的に欠陥が有るか点検をする必要があります。期限が近づいたら、特に注意が必要です。期限を越えてしまうと、売り主に補修を請求できなくなります。

   逆に売り主としては、保証期限までは買い主から、補修の請求がくる可能性がありますから、補修費として使えるお金を残しておく方がいいでしょう。

A      不動産を取得すると、不動産取得税の請求が、大阪であれば購入してから4ヶ月ほどで府税事務所からきます。支払いの期限は請求がきた月の翌月末までですので、注意が必要です。ただし、控除される金額がありますので、新築や、築年数の浅い物件の場合は全くかからないこともあります。土地、建物とも30坪ほどの新築や築浅であれば、まずかかりません。

B      固定資産税(都市計画税を含む)の精算は決済時にしますが、決済の時期によっては、後日、精算をする場合があります。固定資産税の請求は、その年の11日現在における不動産の登記名義人にされます。12月末までに決済をすれば翌年は新所有者が登記名義人になりますので、翌年度分の固定資産税は新所有者に請求されることになりますね。問題は1月から固定資産税の納付書が所有者に届くまでの間に決済がある場合です。納付書は売り主に5月頃届きます。15月に決済をした場合は、その年の固定資産税が確定していませんので、5月に精算をすることになります。

  この金額も物件によっては高額となりますので、お金を残しておく必要があります。

C      売却をして損失が出た場合。

たとえば自宅(5年以上所有の居住用の財産の買い替えをする場合に限ります)を4,000万円で買って、2,500万円で売った場合1,500万円の損失がでます。(実際には建物は償却していますので、その分は損失から引きますが、購入や売却にかかった諸費用は損失額に加えることができます。)損失が出た場合はその損失分をその年の所得金額から控除することができますので、控除された税金分が還付されます。その年の所得で控除しきれない額があればそのつぎの年も控除することができ最大4回まで控除をすることができます。

購入した翌年の確定申告で申請をする必要があります。

※その他細かい規定がありますので、確認が必要です。

D      売却をして利益が出た場合。

   譲渡所得税がかかります。税率は不動産の所有期間で違います。居住用の住宅を売った場合は3,000万円までは譲渡益から控除されます。1,990年以前のバブルの頃は土地が20坪で建物が築後15年くらいの4DKの一戸建てが4,000万円位していたときがありましたので、3,000万円控除ができないと莫大な譲渡所得税を支払うことになります。税金が何百万円になることもありましたので、少しでも控除できるものがないか必死で探しました。この申請も翌年の確定申告でします。

E      購入にローンを使った場合。

   住宅ローン控除を使える場合があります。銀行などから、ローンを借りて、居住用の住宅を購入した場合は、その年の年末の残元金の1%(200年住宅の場合は1.2)を限度として、所得税あるいは住民税(一部)から、控除されます。購入した翌年の確定申告で申請をすると、前年の所得税から控除されますので、さっそく控除された金額が還付されます。

※その他、細かい規定がありますので、確認が必要です。

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